赤ちゃんのアトピー性皮膚炎 発症から完治までの治療奮闘記

妊娠・出産・育児

生後5日目~3ヶ月健診までの様子

生後5日目、保育器に入って黄疸治療

二人目の子である娘が、生後5日目のこと。
「黄疸が少し強いから、1日保育器に入れて治療しましょう」
と言われ、青い紫外線の中、オムツだけの裸の姿で、紫外線にやられないように両目には眼帯をつけて、赤ちゃんは丸1日保育器の中で過ごしました。

その間、直接授乳することができないので、授乳時間が来る度にさく乳し、それを哺乳瓶に移して飲ませていました。
保育器に入っているときは水分をたくさん与えなくてはならないらしく、私の母乳にプラス、糖水やミルクも与えていました。

気になる目の周りの赤い湿疹

翌日、無事治療は終わり、赤ちゃんが保育器から出てきました。
早速服を着せで眼帯を外し、1日ぶりの授乳です。
ところが、授乳をしながら、あれ?と気がついたことがありました。
それは、目の周りにポツポツと赤い湿疹のようなものが出来ていたのです。

看護婦さんに言ってみたら、眼帯を着けていたせいかも、とのこと。
それならその内引くだろうと、特に心配もせず、その日の午後、退院しました。

ところが、その湿疹は引くことはなく、退院してからもずっと消えずに出ていたのです。

1ヶ月健診、顔の湿疹が消えない

1ヶ月健診では、体重増加も良好で、特に問題もなく、順調そのもの。
ただ、顔の湿疹は相変わらずで、そのことを先生に言ったら、
おそらく乳児湿疹だろうから、心配ない。清潔にしてあげて、とのことでした。

ところが、2ヶ月を過ぎたころ、顔の湿疹が徐々に広がって来たのです。
顔から首、胸からおなかへ・・・。
そして、とうとう痒がりだしたのです。

一番症状がひどいのは顔と頭だったのですが、まだ上手く動かせない小さな手で、顔や頭をこすっているのです。
それでも、1ヶ月検診で、乳児湿疹だとの診断を受けていたので、頭や顔をかかないように手袋をはめる以外は特に何もしないまま、過ごしていました。

もしかして、アトピー?

しかし、顔の湿疹は段々ひどくなり、身体はザラザラ、赤ちゃんらしくない肌になって行ったのです。
この頃から、もしかしたら、アトピーなのでは?と思い始めました。

そんなある日、義母が、「乳児湿疹かも知れないが、もう一度小児科に連れて行った方がいいんじゃない?」と言ってきたのです。

でも、まだアトピーとは思いたくなかった。
これは乳児湿疹なんだ、と思いたかったのです。
「もうすぐ3ヶ月検診なので、その時に聞いてみます」と言い、連れて行きませんでした。

3ヶ月健診、アトピー性皮膚炎の疑いあり

しかし、3ヶ月健診に連れて行った時の診断は、アトピー性皮膚炎の疑いあり、でした。
まだ月齢が小さすぎて、何が原因でアトピー(アレルギー)症状を起こしているのか検査することができないため、母乳を与えている私も卵と牛乳の除去食を開始することに。

小児科や皮膚科を巡る日々

その後も複数の小児科や皮膚科を巡る日が続きました。
ご参考までに、処方された薬をご紹介します。

小児科B

この医院には鼻風邪で受診したのですが、鼻炎用の内服薬と一緒に下記の外用薬も処方されました。
鼻炎用内服薬の記載は省略しました。

外用薬【1日3回全身塗布】
・アンダーム軟膏 5% 30g
この薬をつけたら胸とおなかが真っ赤になってしまいました。
【頭に1日3回塗布】
・エクセルダームソリュション 1% 10ml

小児科C

この医院は娘を産んだ産婦人科の依託小児科なので受診してみました。

外用薬【1日2回塗布】
・アズノール軟膏0.033% 10g
この薬をつけたら胸とおなかの炎症はおさまりました。

生後4ヶ月、卵と牛乳にアレルギーの可能性大

母乳を与えている私が卵と牛乳の除去食を開始してから1ヶ月、若干ですがアトピーの症状が軽くなりました。

卵か牛乳のどちらか、もしくは両方にアレルギーがある可能性が大きいということです。
今後は私が卵と牛乳を少し食べたり除去したりしながら、様子をみることになりました。

一方、皮膚科にも通っていました。
複数の塗り薬と飲み薬を処方されていました。
ご参考までに、処方された薬をご紹介します。

皮膚科A

外用薬【頭に1日2回塗布】
・パルデスローション 10g
【顔、ひどいとき1日2回塗布】
・プレドニン眼軟膏 0.25% 15g【下腿痒疹に1日2回塗布】
・リンデロン-VG軟膏 0.12% 5g

皮膚科B

ここの薬を一番長く使っていました。

内服薬
・アリメジンシロップ 毎食後 1回 0.333ml
外用薬【目のまわりに1日2回塗布】
・サンテゾーン0.05%眼軟膏 1回3.5g
【頭・顔に1日2回塗布】
(下記の2種類、まざっています)
・デキサメサゾン軟膏「イワキ」 1回5g【体・腕・脚に1日2回塗布】
・ゲンダシン軟膏 1回3g
(下記の3種類、まざっています)
・アルメタ軟膏 1回6g
・パスタロン20ソフト 1回6g
・ゲンダシン軟膏 1回3g【首に1日2回、股におむつ替えの都度塗布】
(下記の3種類、まざっています)
・アルメタ軟膏 1回4g
・アスタット軟膏 1回4g
・ゲンダシン軟膏 1回4g【脚のひどいところに1日2回塗布】
(下記の2種類、まざっています)
・パンデル軟膏 1回5g
・ゲンダシン軟膏 1回3g

ステロイド外用剤

アトピーの薬の代名詞にもなっている「ステロイド」。
正しく使えば怖い薬ではないのですが、赤ちゃんに使うとなると、ちょっと抵抗があるのも事実。

ステロイドは、薬の強さで5段階に分類されています。
処方されたステロイドの強さは以下の通りです。

薬の強さレベル

強い → → → → 弱い
1 → 2 → 3 → 4 → 5

数字が大きくなるにつれて弱くなります。

レベル1

処方された薬なし

レベル2

・パンデル軟膏

レベル3

・リンデロン-VG軟膏

レベル4

・キンダベート軟膏
・アルメタ軟膏
・ロコイド軟膏

レベル5

・パルデス軟膏
・パルデスローション
・サンテゾーン0.05%眼軟膏
・デキサメゾン軟膏「イワキ」
・プレドニン眼軟膏

ステロイド剤以外の外用剤

・アンダーム軟膏
・アズノール軟膏

ステロイドを使っていない薬です。
軽症の時や、皮膚の薄い顔や目のまわり、外陰部など、ステロイドをなるべく使いたくない場所や、かゆみが減って症状がよくなってきたときに使うことが多いようです。

スキンケア外用剤

・バスタロン20ソフト
・ヒルドイドソフト

皮膚を乾燥から守る、スキンケアのための薬で、皮膚に水分を与える保湿剤です。
副作用はほぼないと言われています。

その他の薬

・アリメジンシロップ

抗ヒスタミン剤の飲み薬。
かゆみの原因となるヒスタミンという物質の働きを抑えます。
長期使用により睡眠障害的副作用が出ることもあると言われています。

・ゲンタシン軟膏
抗生物質です。

・アスタット軟膏
真菌剤。
首と股にカンジタ菌がいたので処方されました。

本当に良くなるの?薬への不安

皮膚科Bでの治療に落ち着き、処方される薬を飲ませ、塗る日々が続きました。

私が卵と牛乳を少し食べたり除去したりしていましたが、あまり変化がないので、少なめを心がけながら、この頃から普通に食べていました。

お風呂上り、赤ちゃんの身体は拭かず、濡れたままの状態で薬をたっぷり塗ります。
すると、肌がかなりキレイになったので、家族皆で喜んでいました。
しかし、それから数日もすると、薬を塗っているにもかかわらず、また肌がカサカサしてきたのです。

そのことを皮膚科の先生に言ったら、塗り方が足りないんですよ、もっとたっぷり塗ってください、と言われました。

本当に、これでよくなるのだろうか?

こんなに毎日、たっぷりと薬を塗って、本当にいいのだろうか?

この頃から、薬に対して不安を抱くようになってきました。

オムバスとの出会い

義兄の友人の子供が、重度のアトピー性皮膚炎を経験しており、その子が行っていた治療法を紹介してもらうことになりました。
日本オムバスです。

それは、薬を使わずに温泉を使う、温泉治療法でした。
いわゆる民間治療ですが、実績のある会社での治療法だったので、試してみることにしました。

まずは、カウンセラーに赤ちゃんの状態をみてもらい、それからどうするか決めたかったので、休みの日に予約を取り、カウンセリングを受けることにしました。

初めてのカウンセリング

上の子は義母に預けて、夫と赤ちゃんと私の3人で、カウンセリングを受けに行きました。

カウンセラーの話は次の通りでした。

アトピー性皮膚炎の中でも軽度なので、お誕生日を迎える頃には良くなりますよ。
今のところ、温泉治療をする程ひどくはないので、赤ちゃんの治癒力、回復力を信じてあげて。
薬を止める、止めないは私たちの方で言う事はできませんが、なるべくなら薬は塗らず、スキンケアをしっかりと行った方が良いと思います。

そう言われ、悩みました。

なぜ、薬を塗らない方が良いのか?

それは、アトピー性皮膚炎はアレルギー症状の一つであり、ケガのような外部要因が原因となる状態とは違い、自分の身体が生体反応として引き起こしており、薬で一時的に症状を抑えることは出来ても、根本治療は出来ないからです。

薬を塗り続けて治癒を先延ばしにするか、しばらくの間、つらい思いをさせることになってしまうが、なるべく早く治癒させるか・・・。

家族皆で悩み、考え抜きました。

そして出した結論は「薬を使わずにアトピー治癒を目指す」でした。

薬を塗っても、一時しのぎで治ることはない。
治癒が先延ばしされるだけなら、まだ小さい今の内に、なるべく早く治してあげるのが一番。

そう決心しました。

お風呂環境を変える

まずは、お風呂の水を浄水することにしました。
水道水に含まれる塩素が、アトピーなど、肌にトラブルがある人にとっては、良くない成分です。
塩素が刺激となり、肌荒れがひどくなったり、かゆみが増したりします。

シャワーのヘッドを浄水機能のあるものに変えて、赤ちゃんを入浴させる時は、シャワーのお湯を湯船に入れようにしました。
そして、入浴後に塗っていた薬はやめて、アトピー用の化粧水やオイルでスキンケアをしました。

薬で一時的にキレイになっていた肌は、徐々にその姿を変えていきました。

下記はその頃の様子を書き残したものです。

昨日の晩から内服薬も外用薬もやめてみた。
昨晩の入浴から浄水を使用、入浴後におなかを掻くのはいつものことだが、新たにおでこを掻いていた。今朝、おでこに若干の掻き傷があった。
腕や胸、おなかはほとんど変化なし。
特に顔、その中でも目のまわり、こめかみ辺りからおでこにかけて発疹が復活しており、頬や頭の中も、顔ほどではないがポツポツとある。痒いせいか、今日一日機嫌が良くなかった。
痒がる姿は親としてつらい・・・

リバウンドが辛い!

薬を使わなくなってから数日後、今までで最悪の状態になり、身体中にアトピーの症状が出ました。

とにかくかゆいらしく、常に頭や顔をかいていました。
まだ小さな手でかく姿は、見ていて辛かったです。

爪でかきむしらないように、常に手袋をはめていました。

この時期、何度薬を塗ろうと思ったかわかりません。

夫はともかく、私は四六時中一緒にいたので、その辛さが大きかったです。

まだこんなに小さな赤ちゃんが、こんなに辛い思いをしなくてもいいんじゃないか。
塗ってあげた方がいいのではないか・・・

と何度も思いました。
しかし、ここが正念場だと自分に言い聞かせ、時には私が手でかゆいところをさすったりして、この辛い時期を何とか乗り切りました。

髪が薄くなるまでかきむしる娘

常にかき続けたからでしょう。
頭の毛、特におでこの上辺りの毛が薄くなり、ほとんど無くなってしまいました。

薄くなっていることに気がついたのは夫でした。

こんなになるまでかくほどかゆいものなのかと、夫も辛そうに抱き上げ、娘の頭をさすっていました。

検査の結果、牛乳アレルギーであることが判明!

小児科のアレルギー外来の存在を知り、生後半年経ったらそこでアレルギー検査を受けてみることにしました。

間もなく生後半年を過ぎ、血液検査をした結果、牛乳アレルギーであることが判明しました。

産後に入院中の黄疸治療中にミルクを飲んで顔に湿疹が出たのは、ミルクの原料である牛乳が原因だったのでしょう。
その後はほぼ母乳のみだったので、軽度のアトピーで済んだのかも知れません。

夫と私が、なるべく薬は使わずに治したいことを先生に伝えたら、
「とりあえずお母さんが牛乳や乳製品を控えてみて」
と言われ、牛乳やヨーグルトなどの乳製品を控えてみることになりました。

生後7か月、徐々に成果が表れ始める

私がほぼ完全に牛乳及び乳製品を断ってから半月が経ちました。

その成果なのか、頭とおでこ以外はかなりきれいになり、さわり心地もつるつるしてきました。
見た感じでは、頭とおでこ以外に湿疹や炎症が見られるのは両脚の膝の裏のみで、あとは若干乾燥しているだけのようです。
ただ、湿疹も炎症もありませんが、まだおなか周辺をかゆがっていました。

アレルギー検査から1ヶ月後、再度診察に行きました。

引き続き牛乳及び乳製品を控えてください。薬を使わずに治したいのであれば、お母さんが完全に牛乳及び乳製品を断つことですが、それはかなり大変でストレスも溜まることなのでおすすめ出来ません。もう7ヶ月を過ぎてますし、薬の後遺症を心配しなくても大丈夫ですよ。

と先生に言われ、とりあえず薬はもらいましたが、スキンケアだけでかなり状態が良くなっていたので使いませんでした。

ご参考までに、処方された薬をご紹介します。

【ひどいところにのみ塗布】
ロコイド軟膏+ヒルドイドソフト(混ぜています)

【かさかさしているところに塗布】
ヒルドイドソフト(保湿剤)

8ヶ月、肌の状態が改善!

7ヶ月に回復の兆しを感じてから、徐々に肌の状態が良くなってきました。
ガザガザしていた肌が、赤ちゃんらしい肌に変わって行きました。

かゆみも徐々に治まってきたようで、以前ほどかゆがらなくなってきました。

お誕生日を迎える頃には良くなりますよ。
赤ちゃんの治癒力、回復力を信じてあげて。

カウンセラーが言ったことは本当でした。
わが子の力を信じてよかった!

アトピーが治まってからの様子

アトピーの症状はすっかり治まりました。
しかし、まだ牛乳にアレルギーがあるので、それを含む食品等を口にすると一時的に湿疹が出ます。

アトピーの時は、どんなに暑くても汗が出なかった娘でしたが、症状が治まってからよく汗をかくようになりました。
健康な肌になったのだと思います。
しかし、少しでも汗をかくとすぐかゆがり、かいてしまいます。
虫に刺された後もなかなか治らず、かなりの間跡が残るなど、やはり肌は弱いようです。
このような状態なので、まだ引っかき傷が絶えません。

お風呂はもう水道水を使っても問題ありません。
スキンケアももうしなくても大丈夫になりました。

今だから思うこと

娘が生後3ヶ月でアトピー性皮膚炎と診断され、しばらくは医者から与えられるままに薬(ステロイド)を塗っていましたが、カウンセラーの話を聞き、薬を使わずに治す方法を実践した結果、1歳になる前にはアトピーの症状はほとんどない状態にまで回復することができました。

でも、今だから思うことがあります。

もし、あの時、薬を使い続けていたとしても、治っていたかも知れない。
あんなつらい思いをさせなくても良かったのかも知れない・・・。

7ヶ月を過ぎた頃、アトピーの症状が引き始め、日に日に良くなっていくのを見た時は、薬を使わない方法を選んで本当に良かったと思ったのですが、ステロイドが絶対に悪いとは言えないし、悪いとも思えないのが正直な気持ちです。

上手に薬を使って、かゆみや炎症を最小限に抑えながら、アトピーを治していく方法もあると思うのです。

私と夫は、娘のアトピー症状が軽度であったため、まだ小さな今の内に治してあげたい一心で、脱ステする方法を選びました。
しかし、薬をやめた後に起こるリバウンドは、たった数ヶ月しかステロイドを使っていなかった娘にも起こり、あの時ほどつらかったことはありません。
何度薬を塗ろうかと思ったか、わかりません。

娘が大きくなったとき、自分がアトピーだったなんてことはきっと覚えていないでしょう。
これから先、アトピーが再発しない保障はありませんが、薬を塗らなくてすむ程度であって欲しいと願っています。

それが、本当のアトピーの完治だと思っています。

アトピー完治!

娘のアトピーの原因だった牛乳アレルギーは、6段階判定のクラス4でした。
(数字が多いほどアレルギー値が高い)
ですが、その牛乳アレルギーも6歳のころにはクラス2となり、牛乳をコップ一杯飲むくらいならアレルギー反応は出なくなり、学校給食の牛乳もみんなと一緒に飲むことができました。

入れ替わるように、今度はハウスダストに反応するようになりましたが、クラス2だったので日常生活で困ることはほとんどありません。

そんな娘も、もう成人しました。
高校生のときにした検査で、牛乳のアレルギー値がついに0!
ハウスダストにはまだ反応がありますが、調子が悪いときは抗アレルギー薬を飲むなどして、上手に付き合っています。

ちなみに、自分がアトピーだったことは、全く覚えていないそうです。

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